ニンニクの栄養と効能=食べて健康、免疫力up!
ニンニクの栄養と効能
ニンニクは、ビタミンやミネラルなどの栄養を豊富に含むヒガンバナ科ネギ属の多年草植物です。球根を香辛料、香味野菜として用います。
ニンニクは、切ったり、きざんだり、すり潰したりすると強烈な匂いを放つアリシンという物質を多く含みます。この匂いや、辛味に特別な栄養や効能があるので、お料理によく使われます。強力な殺菌力、食欲増進、疲労回復や体力増強などに素晴らしい効能があります。
ニンニクは、糖質の代謝を助けエネルギーをつくり出し疲労回復に役立つビタミンB1や細胞の新陳代謝を促進し、皮ふや粘膜の機能維持や成長に役立つビタミンB2また、皮ふや粘膜の健康維持をサポートしたり、脳神経を正常に働かせるのに役立つナイアシンや動脈硬化を予防しストレスをやわらげる働きのあるパントテン酸そして、抗酸化ビタミンであるビタミンCを含みますので活性酸素の発生や酸化力を抑え、動脈硬化、皮膚や血管の老化を防ぎ、免疫力を高めてくれます。さらに、骨や歯を構成するのに必要なミネラルであるカルシウムやリン、マグネシウムなどを含みます。カリウムも多く含まれますので疲労回復や利尿作用、高血圧の予防に役立ちます。
ところで、ニンニクという名ですが、仏教用語の「忍辱」(にんにく)「さまざまな苦しみ、悲しみに耐え忍ぶこと」(忍耐に近い言葉でしょうか)が語源だそうです。
主な栄養素 | 100gあたりの栄養価 |
ビタミンB1 | 0.19mg |
ビタミンB2 | 0.07mg |
ナイアシン(B3) | 0.7mg |
パントテン酸(B5) | 0.55mg |
ビタミンB6 | 1.50mg |
ビタミンC | 10mg |
カルシウム | 14mg |
鉄分 | 0.8mg |
マグネシウム | 25mg |
マンガン | 0.27mg |
リン | 150mg |
カリウム | 530mg |
(にんにく・りん茎-生)
五訂日本食品標準成分表より
スポンサードサーチ
ニンニクの特別な栄養
ニンニクには、特別な栄養であるイオウ化合物の一種で、強烈な匂いを放つアリシンという物質が含まれています。
このアリシンは、ニンニクを切る、きざむ、すり潰すなど、細胞を破壊することにより、アリインという物質(もともとニンニクに含まれている無臭の物質)が、アリナーゼという酵素により分解されることでつくりだされたものです。
アリシンの効能
●糖質の代謝を促進しますので、新陳代謝を良くし、ダイエットにも効果があります。また、疲労回復、滋養強壮に不可欠なビタミンB1と結合し、その効果を長く持続させてくれますので、疲れにくい身体になります。
●血液中のコレステロール値や血糖値の上昇を抑え、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を予防する働きがあります。
●抗酸化力があるので、活性酸素の発生や酸化力を抑え、細胞が受けたダメッジの修復をすることで、動脈硬化や高血圧を防ぎます。また免疫力を高めてくれますので、がんの予防にも役立ちます。
●血小板の凝集を抑制してくれますので、血液はサラサラになり流れが良くなり、血栓を予防し、心筋梗塞や脳梗塞になりにくい身体になります。
●アリシンには、強力な殺菌力があり、食中毒を防いだり、さまざまな(チフス菌、コレラ菌、赤痢菌、サルモネラ菌など)病原菌から守ってくれます。
●血流を良くし、身体を温めてくれますので、風邪の予防にもなります。
ニンニクの主な栄養素の効能
ビタミンB1の効能
ビタミンB1は、世界で一番最初に発見されたビタミンです。今日のように栄養状況の良くなかった日本では脚気(かっけ)の治療に効果を発揮しました。炭水化物(糖質)の代謝をたすけてエネルギーをつくり出すので疲労回復に役立ちます。また、皮膚や粘膜の健康を維持し、糖質を栄養源としている脳神経や手足の末梢神経、筋肉の機能を正常にたもちます。
ビタミンB2の効能
ビタミンB2は、三大栄養素である炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質を体内でエネルギーに変える、代謝を支える重要な働きをしています。また、細胞の新陳代謝を促進し、皮ふや粘膜の機能維持や成長にも関わりますので、美容や子供の成長には欠かせない栄養素になります。
ナイアシン(B3)の効能
ナイアシンは、水溶性ビタミンの一種です。三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質の代謝によりエネルギーをつくり出す過程で働く酵素を補助する必要不可欠なビタミンです。皮ふや粘膜の健康維持をサポートしたり、脳神経を正常に働かせるのに役立ちます。
パントテン酸(B5)の効能
パントテン酸は、ビタミンB5とも呼ばれ動植物食品に広く含まれ、体内でも合成することができるビタミンです。パントテン酸は、三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質の代謝とエネルギーをつくり出すのに不可欠な酵素を補助する役割をしています。また、 血中の善玉コレステロール(HDL)、ホルモン、免疫抗体などを合成し、動脈硬化を予防しストレスをやわらげ、皮ふや粘膜の健康維持に役立ちます。
ビタミンB6の効能
ビタミンB6は、水溶性ビタミンの一種でたんぱく質を体内でエネルギーに変える、代謝を支えたり、筋肉や血液などがつくられたりする時に重要な働きをします。皮ふ炎を予防することから発見されたビタミンで皮ふや粘膜の健康維持にも役立っています。ビタミンB6は私たちの体内の腸内細菌からも一部つくられます。
ビタミンCの効能
ビタミンCは、野菜や果物に多く含まれる抗酸化ビタミンです。抗酸化作用があるので活性酸素の発生や酸化力を抑え、動脈硬化、皮膚や血管の老化を防ぎ、免疫力を高めます。また、体の細胞や組織をつなぐ働きをするコラーゲンというたんぱく質をつくるので、皮ふや粘膜を健全に保ち美肌にも役立ちます。
カルシウムの効能
カルシウムは、人間の身体で骨や歯を構成する必須ミネラルです。人間の身体に最も多く存在するミネラルで、骨そのものが貯蔵庫の働きもしています。不足すると骨から遊離します。体重の1~2%の比率を占めています。カルシウムは血液を凝固させる働き(傷口を治す)や、筋肉の運動、神経の働きに作用します。筋肉の収縮や心臓の拍動もカルシウムの働きによるものです。また、神経の働きに作用し、緊張や興奮を静めることで、イライラやストレスの解消に役立ちます。
カリウムの効能
カリウムは、体内のほとんどの細胞の中に存在しナトリウムとバランスをとりながら高血圧を防いでくれます。ナトリウムは体に必要なミネラルですが、とり過ぎは高血圧になる危険が高まります。しかしながら、多少ナトリウムの摂取量が増えたとしても、適切な食事で必要なカリウムの摂取ができていれば、カリウムの働きでナトリウムはカリウムと共に汗や尿として排出され、高血圧を防いでくれます。食事でのカリウムの摂取は大変重要になります。
リンの効能
リンは、人間の身体で骨や歯を構成する必須ミネラルです。リンは体内のミネラルの中でカルシウムの次に多いミネラルです。体内のリンはその約80%がカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯をつくる成分になります。残りの約20%は筋肉、脳、神経などの様々な組織に含まれ、エネルギー代謝や脂質代謝などにおいて重要な役割を担っています。
鉄の効能
鉄は、必須ミネラルのひとつで赤血球を構成する成分で、全身の細胞や組織に酸素を運ぶ働きをしています。鉄は、貧血の予防に重要な栄養素です。体内の鉄の約70%が血液中で赤血球のヘモグロビンの構成成分となり約25%は肝臓などに貯蔵されています。肺で取り込んだ酸素を全身の細胞や組織に運ぶ重要な役割をしています。鉄は細胞に酸素と栄養を届けるヘモグロビンにとって大切なミネラルなのです。
マグネシウムの効能
マグネシウムは、体内で約300種類以上もの酵素の働きをサポートします。50~60%が骨に含まれていて、不足すると骨から遊離します。カルシウムと密接な関係があり、骨や歯の形成に必要な栄養素でもあります。また、三大栄養素である炭水化物 (糖質)、脂質、たんぱく質の代謝により、エネルギーをつくり出す過程で酵素が必要になりますが、マグネシウムは酵素が働くために必要不可欠なミネラルなのです。