玉ねぎ(玉葱/タマネギ)の栄養と効能=食べて健康、免疫力up!
玉ねぎ(玉葱/タマネギ)の栄養と効能
玉ねぎ(玉葱/タマネギ)は、ビタミンやミネラルなどの栄養を豊富に含むヒガンバナ科ネギ属の多年草植物です。球根(鱗茎)を食用とします。原産地は、中央アジアといわれています。表皮を乾燥させておけば常温でも数ヶ月は保存が可能です。
玉ねぎ(玉葱/タマネギ)は、料理のとき、切り、きざみますと涙があふれだしてきますし、生で食べますと辛味もあり、香りも大変強烈な野菜ですがさまざまな料理に用いられます。サラダ、マリネや肉じゃが、カレー、グラタンなどの煮込み料理、タルタルソース、デミグラスソース、トマトソースなどのソース類に利用されます。
玉ねぎ(玉葱/タマネギ)は、糖質の代謝を助けエネルギーをつくり出し疲労回復に役立つビタミンB1や細胞の新陳代謝を促進し、皮ふや粘膜の機能維持や成長に役立つビタミンB2また、皮ふや粘膜の健康維持をサポートしたり、脳神経を正常に働かせるのに役立つナイアシンそして、抗酸化ビタミンであるビタミンC、ビタミンEを含みますので活性酸素の発生や酸化力を抑え、動脈硬化、皮膚や血管の老化を防ぎ、免疫力を高めてくれます。また、骨や歯を構成するのに必要なミネラルであるカルシウムやリン、マグネシウムなどを含みます。カリウムも多く含まれますので疲労回復や利尿作用、高血圧の予防に役立ちます。
玉ねぎ(玉葱/タマネギ)は、機能性のある栄養として強い香りをもつアリシンというイオウ化合物の一種や、辛味成分である、硫化プロピルという物質を多く含みます。またフラボノイドの一種であるケルセチンを含みます。
主な栄養素 | 100あたりの栄養価 |
ビタミンB1 | 0.046mg |
ビタミンB2 | 0.027mg |
ナイアシン(B3) | 0.116mg |
ビタミンB6 | 0.120mg |
ビタミンC | 7.4mg |
ビタミンE | 0.02mg |
ビタミンK | 0.4㎍ |
カルシウム | 23mg |
鉄分 | 0.21mg |
マグネシウム | 10mg |
リン | 29mg |
カリウム | 146mg |
(たまねぎ・りん茎-生)
アメリカ合衆国 栄養データベースより
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玉ねぎ(玉葱/タマネギ)の香りと辛味成分
玉ねぎには、強い香りをもつアリシンというイオウ化合物の一種が含まれています。
アリシンは、玉ねぎをきざんだりして、細胞を壊すことにより発生する香気成分で、強烈な匂いがします。また、催涙物質でもあるので涙がでます。
そして、生の玉ねぎを食べた時の辛味成分は、硫化プロピルという物質の働きによるものです。
玉ねぎ(玉葱/タマネギ)の特別な栄養(アリシン)の効能
アリシンには、強い香りだけでなく、様々な効能があります。
●疲労回復に欠かせないビタミンB1と結びつき、その効果を長く持続させる働きをしますので、疲れにくい身体になります。
●アリシンには、血液中のコレステロールの値を抑える働きがあり、動脈硬化を予防しますので、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが下がります。
●抗酸化作用があり、活性酸素の発生や酸化作用を抑え、ダメッジを受けた細胞を修復し、生活習慣病やがんの予防をしてくれます。
●血液をサラサラにし、流れを良くし、心筋梗塞や脳梗塞などの原因になる血栓を予防してくれます。
●肥満や運動不足による血糖値の上昇を抑え、糖尿病を防ぐ効能があります。
●アリシンには、強い殺菌力があり、食中毒を防ぎ、病原菌から身を守ってくれます。また、風邪の予防にも役立つといわれています。
玉ねぎ(玉葱/タマネギ)に含まれる硫化プロピルの効能
玉ねぎの辛味成分は、辛いだけではありません。
血液中のブドウ糖の代謝を促進しますので、血糖値が下がり、糖尿病を防いでくれます。
また、硫化プロピルには、中性脂肪値やコレステロール値を下げる働きもあるので、血液がサラサラになり動脈硬化を予防できます。
硫化プロピルの効果的なとりかた
玉ねぎの繊維に対して横にカットすると、硫化プロピルは「チオスルフィネート」という辛味成分に変化し、15分以上空気中にさらすと栄養成分が安定し、より効果が高まります。
水洗いしますと、栄養成分は流出しますので洗わないようにしましょう。
玉ねぎ(玉葱/タマネギ)に含まれるケルセチンの効能
ポルフェノールの仲間には、フラボノイドやアントシアニン、タンニンなど身体に優れた働きをしてくれるものがたくさんありますが、玉ねぎに含まれるケルセチンは、フラボノイドの一種です。
ケルセチンには、血管をしなやかにしたり、活性酸素の発生や酸化力を抑えてくれる抗酸化力があるので、動脈硬化による心筋梗塞や脳血管障害を防いでくれます。
また、ケルセチンには、腸内の脂肪と結びついて脂肪を固めて排泄してくれる効能もあります。
ケルセチンは、玉ねぎの薄皮の部分に多く含まれています。
古くから漢方では、薄皮を煎じて、空腹時に飲むことで高血圧の治療に効果を上げていたそうです。
玉ねぎ(玉葱/タマネギ)の主な栄養素の効能
ビタミンB1の効能
ビタミンB1は、世界で一番最初に発見されたビタミンです。今日のように栄養状況の良くなかった日本では脚気(かっけ)の治療に効果を発揮しました。炭水化物(糖質)の代謝をたすけてエネルギーをつくり出すので疲労回復に役立ちます。また、皮膚や粘膜の健康を維持し、糖質を栄養源としている脳神経や手足の末梢神経、筋肉の機能を正常にたもちます。
ビタミンB2の効能
ビタミンB2は、三大栄養素である炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質を体内でエネルギーに変える、代謝を支える重要な働きをしています。また、細胞の新陳代謝を促進し、皮ふや粘膜の機能維持や成長にも関わりますので、美容や子供の成長には欠かせない栄養素になります。
ナイアシン(B3)の効能
ナイアシンは、水溶性ビタミンの一種です。三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質の代謝によりエネルギーをつくり出す過程で働く酵素を補助する必要不可欠なビタミンです。皮ふや粘膜の健康維持をサポートしたり、脳神経を正常に働かせるのに役立ちます。
ビタミンB6の効能
ビタミンB6は、水溶性ビタミンの一種でたんぱく質を体内でエネルギーに変える、代謝を支えたり、筋肉や血液などがつくられたりする時に重要な働きをします。皮ふ炎を予防することから発見されたビタミンで皮ふや粘膜の健康維持にも役立っています。ビタミンB6は私たちの体内の腸内細菌からも一部つくられます。
ビタミンCの効能
ビタミンCは、野菜や果物に多く含まれる抗酸化ビタミンです。抗酸化作用があるので活性酸素の発生や酸化力を抑え、動脈硬化、皮膚や血管の老化を防ぎ、免疫力を高めます。また、体の細胞や組織をつなぐ働きをするコラーゲンというたんぱく質をつくるので、皮ふや粘膜を健全に保ち美肌にも役立ちます。
ビタミンEの効能
ビタミンEは、強力な抗酸化作用によって、活性酸素の発生や酸化力を抑え、細胞の酸化を防ぎ、血管や肌、細胞の老化を防いでくれます。また、ダメッジを受けた細胞を修復してくれますので、免疫力を高め、動脈硬化やがんの予防にも役立ちます。
ビタミンKの効能
ビタミンKは、血液を凝固させたり、骨の形成に必要な栄養素です。止血の働きをしたり、骨粗しょう症の予防に役立ちます。ビタミンK1は、緑色の野菜の葉緑体でつくられます。ビタミンK2は微生物によりつくられ、納豆などの発酵食品に含まれています。
カルシウムの効能
カルシウムは、人間の身体で骨や歯を構成する必須ミネラルです。人間の身体に最も多く存在するミネラルで、骨そのものが貯蔵庫の働きもしています。不足すると骨から遊離します。体重の1~2%の比率を占めています。カルシウムは血液を凝固させる働き(傷口を治す)や、筋肉の運動、神経の働きに作用します。筋肉の収縮や心臓の拍動もカルシウムの働きによるものです。また、神経の働きに作用し、緊張や興奮を静めることで、イライラやストレスの解消に役立ちます。
リンの効能
リンは、人間の身体で骨や歯を構成する必須ミネラルです。リンは体内のミネラルの中でカルシウムの次に多いミネラルです。体内のリンはその約80%がカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯をつくる成分になります。残りの約20%は筋肉、脳、神経などの様々な組織に含まれ、エネルギー代謝や脂質代謝などにおいて重要な役割を担っています。
鉄の効能
鉄は、必須ミネラルのひとつで赤血球を構成する成分で、全身の細胞や組織に酸素を運ぶ働きをしています。鉄は、貧血の予防に重要な栄養素です。体内の鉄の約70%が血液中で赤血球のヘモグロビンの構成成分となり約25%は肝臓などに貯蔵されています。肺で取り込んだ酸素を全身の細胞や組織に運ぶ重要な役割をしています。鉄は細胞に酸素と栄養を届けるヘモグロビンにとって大切なミネラルなのです。
マグネシウムの効能
マグネシウムは、体内で約300種類以上もの酵素の働きをサポートします。50~60%が骨に含まれていて、不足すると骨から遊離します。カルシウムと密接な関係があり、骨や歯の形成に必要な栄養素でもあります。また、三大栄養素である炭水化物 (糖質)、脂質、たんぱく質の代謝により、エネルギーをつくり出す過程で酵素が必要になりますが、マグネシウムは酵素が働くために必要不可欠なミネラルなのです。
カリウムの効能
カリウムは、体内のほとんどの細胞の中に存在しナトリウムとバランスをとりながら高血圧を防いでくれます。ナトリウムは体に必要なミネラルですが、とり過ぎは高血圧になる危険が高まります。しかしながら、多少ナトリウムの摂取量が増えたとしても、適切な食事で必要なカリウムの摂取ができていれば、カリウムの働きでナトリウムはカリウムと共に汗や尿として排出され、高血圧を防いでくれます。食事でのカリウムの摂取は大変重要になります。