なす(茄子/ナス)の栄養と効能=食べて健康、免疫力up!
なす(茄子/ナス)の栄養と効能
なす(茄子/ナス)は、ビタミンやミネラルなどの栄養をバランス良く含むナス科ナス属の野菜で和名は、なすまたはなすびになります。原産地は、インド東部といわれています。中国を経由して、日本に渡って来ました。日本で栽培されている品種は、果皮が紫色または、黒紫色のものがほとんどですが、ヨーロッパやアメリカでは、白、黄、緑などの色のなすもあります。
なす(茄子/ナス)は、淡白な味で他の食材とも合せやすく、油を良く吸収し相性もよいので揚物にしたり、焼いたり、煮たりなどあらゆる方法で調理される野菜です。
なす(茄子/ナス)は、糖質の代謝を助けエネルギーをつくり出し疲労回復に役立つビタミンB1や細胞の新陳代謝を促進し、皮ふや粘膜の機能維持や成長に役立つビタミンB2また、皮ふや粘膜の健康維持をサポートしたり、脳神経を正常に働かせるのに役立つナイアシンや動脈硬化を予防しストレスをやわらげる働きのあるパントテン酸そして、貧血を予防し、細胞の生まれ変わりや、新しい赤血球をつくり出すために欠かせないビタミンである葉酸を含みます。さらに、抗酸化ビタミンであるビタミンC、ビタミンEを含みますので活性酸素の発生や酸化力を抑え、動脈硬化、皮膚や血管の老化を防ぎ、免疫力を高めてくれます。また、骨や歯を構成するのに必要なミネラルであるカルシウムやリン、マグネシウムなどを含みます。カリウムも多く含まれますので疲労回復や利尿作用、高血圧の予防に役立ちます。
また、なす(茄子/ナス)は機能性のある栄養としてカロテノイドの一種のβ-カロテンや、「茄子紺」と呼ばれる特有の紫色の「ナスニン」と呼ばれる植物由来の色素成分が含まれています。アントシアニン(赤紫色を構成する色素成分)の一種です。さらに、コリンが含まれていますので肝臓の働きを促進し、血圧やコレステロールを下げ、動脈硬化の予防に役立ちます。
主な栄養素 | 100gあたりの栄養価 |
β-カロテン | 100㎍ |
ビタミンB1 | 0.05mg |
ビタミンB2 | 0.05mg |
ナイアシン(B3) | 0.5mg |
パントテン酸(B5) | 0.33mg |
ビタミンB6 | 0.05mg |
ビタミンC | 4mg |
ビタミンE | 0.3mg |
カルシウム | 18mg |
マグネシウム | 17mg |
マンガン | 0.16mg |
リン | 30mg |
鉄 | 0.3mg |
カリウム | 220mg |
(なす・果実-生)
五訂日本食品標準成分表より
スポンサードサーチ
なす(茄子/ナス)の特別な栄養
フィトケミカルとは、植物中に存在する天然の化学物質で、植物栄養素とも呼ばれます。
ポリフェノールの仲間に分類される「ナスニン」は(アントシアニンの一種で赤紫色を構成する色素成分)植物由来の色素成分で、フィトケミカルと呼ばれるものです。
なすにはこの「ナスニン」と呼ばれる特別な栄養が含まれています。
ナスニンの効能
ポルフェノールの仲間である色素成分のナスニンには抗酸化力があります。
私たちが、生きていくには酸素が必要ですが、身体に取り込まれた酸素の一部は、他の分子と結合し高い酸化力をもつ「活性酸素」になります。活性酸素は、細胞を金属のように錆びつかせます。
このように金属を酸化するように、細胞が酸化されると「老化」がすすみ、動脈硬化を引き起こしたり、がん細胞をつくったり、様々な病気の原因をつくります。
ナスニンの抗酸化作用は、活性酸素の発生や酸化力を抑え、活性酸素で受けたダメッジを修復しますので、動脈硬化やがんの発生を防ぐ働きをします。
なす(茄子/ナス)の主な栄養素の効能
β-カロテンの効能
β-カロテンには強い抗酸化作用があり、活性酸素の発生や酸化力を抑え、ダメッジを受けた細胞を修復し動脈硬化やがんの発生を予防できます。また、一部はビタミンAとして働きますので、視力を正常に保ち夜盲症を防いでくれます。
ビタミンB1の効能
ビタミンB1は、世界で一番最初に発見されたビタミンです。今日のように栄養状況の良くなかった日本では脚気(かっけ)の治療に効果を発揮しました。炭水化物(糖質)の代謝をたすけてエネルギーをつくり出すので疲労回復に役立ちます。また、皮膚や粘膜の健康を維持し、糖質を栄養源としている脳神経や手足の末梢神経、筋肉の機能を正常にたもちます。
ビタミンB2の効能
ビタミンB2は、三大栄養素である炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質を体内でエネルギーに変える、代謝を支える重要な働きをしています。また、細胞の新陳代謝を促進し、皮ふや粘膜の機能維持や成長にも関わりますので、美容や子供の成長には欠かせない栄養素になります。
ナイアシン(B3)の効能
ナイアシンは、水溶性ビタミンの一種です。三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質の代謝によりエネルギーをつくり出す過程で働く酵素を補助する必要不可欠なビタミンです。皮ふや粘膜の健康維持をサポートしたり、脳神経を正常に働かせるのに役立ちます。
パントテン酸(B5)の効能
パントテン酸は、ビタミンB5とも呼ばれ動植物食品に広く含まれ、体内でも合成することができるビタミンです。パントテン酸は、三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質の代謝とエネルギーをつくり出すのに不可欠な酵素を補助する役割をしています。また、 血中の善玉コレステロール(HDL)、ホルモン、免疫抗体などを合成し、動脈硬化を予防しストレスをやわらげ、皮ふや粘膜の健康維持に役立ちます。
ビタミンB6の効能
ビタミンB6は、水溶性ビタミンの一種でたんぱく質を体内でエネルギーに変える、代謝を支えたり、筋肉や血液などがつくられたりする時に重要な働きをします。皮ふ炎を予防することから発見されたビタミンで皮ふや粘膜の健康維持にも役立っています。ビタミンB6は私たちの体内の腸内細菌からも一部つくられます。
ビタミンCの効能
ビタミンCは、野菜や果物に多く含まれる抗酸化ビタミンです。抗酸化作用があるので活性酸素の発生や酸化力を抑え、動脈硬化、皮膚や血管の老化を防ぎ、免疫力を高めます。また、体の細胞や組織をつなぐ働きをするコラーゲンというたんぱく質をつくるので、皮ふや粘膜を健全に保ち美肌にも役立ちます。
ビタミンEの効能
ビタミンEは、強力な抗酸化作用によって、活性酸素の発生や酸化力を抑え、細胞の酸化を防ぎ、血管や肌、細胞の老化を防いでくれます。また、ダメッジを受けた細胞を修復してくれますので、動脈硬化やがんの予防にも役立ちます。
カルシウムの効能
カルシウムは、人間の身体で骨や歯を構成する必須ミネラルです。人間の身体に最も多く存在するミネラルで、骨そのものが貯蔵庫の働きもしています。不足すると骨から遊離します。体重の1~2%の比率を占めています。カルシウムは血液を凝固させる働き(傷口を治す)や、筋肉の運動、神経の働きに作用します。筋肉の収縮や心臓の拍動もカルシウムの働きによるものです。また、神経の働きに作用し、緊張や興奮を静めることで、イライラやストレスの解消に役立ちます。
マグネシウムの効能
マグネシウムは、体内で約300種類以上もの酵素の働きをサポートします。50~60%が骨に含まれていて、不足すると骨から遊離します。カルシウムと密接な関係があり、骨や歯の形成に必要な栄養素でもあります。また、三大栄養素である炭水化物 (糖質)、脂質、たんぱく質の代謝により、エネルギーをつくり出す過程で酵素が必要になりますが、マグネシウムは酵素が働くために必要不可欠なミネラルなのです。
リンの効能
リンは、人間の身体で骨や歯を構成する必須ミネラルです。リンは体内のミネラルの中でカルシウムの次に多いミネラルです。体内のリンはその約80%がカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯をつくる成分になります。残りの約20%は筋肉、脳、神経などの様々な組織に含まれ、エネルギー代謝や脂質代謝などにおいて重要な役割を担っています。
鉄の効能
鉄は、必須ミネラルのひとつで赤血球を構成する成分で、全身の細胞や組織に酸素を運ぶ働きをしています。鉄は、貧血の予防に重要な栄養素です。体内の鉄の約70%が血液中で赤血球のヘモグロビンの構成成分となり約25%は肝臓などに貯蔵されています。肺で取り込んだ酸素を全身の細胞や組織に運ぶ重要な役割をしています。鉄は細胞に酸素と栄養を届けるヘモグロビンにとって大切なミネラルなのです。
カリウムの効能
カリウムは、体内のほとんどの細胞の中に存在しナトリウムとバランスをとりながら高血圧を防いでくれます。ナ トリウムは体に必要なミネラルですが、とり過ぎは高血圧になる危険が高まります。しかしながら、多少ナトリウムの摂取量が増えたとしても、適切な食事で必要なカリウムの摂取ができていれば、カリウムの働きでナトリウムはカリウムと共に汗や尿として排出され、高血圧を防いでくれます。食事でのカリウムの摂取 は大変重要になります。