ブロッコリーの栄養と効能=食べて健康、免疫力up!
ブロッコリーの栄養と効能
ブロッコリーは、薬効のある栄養が豊富に含まれている、アブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜です。和名は、ミドリハナヤサイ、メハナヤサイ。原産地は、地中海沿岸といわれています。
私たちが、普段食用としている部分は、ブロッコリーのつぼみと茎にあたります。同じ仲間の野菜に、キャベツがありますが、キャベツの一種を品種改良してできた野菜です
サラダや炒め物、スープ、シチューなどに用いられます。
ブロッコリーは、糖質の代謝を助けエネルギーをつくり出し疲労回復に役立つビタミンB1や細胞の新陳代謝を促進し、皮ふや粘膜の機能維持や成長に役立つビタミンB2また、皮ふや粘膜の健康維持をサポートしたり、脳神経を正常に働かせるのに役立つナイアシンや動脈硬化を予防しストレスをやわらげる働きのあるパントテン酸そして、貧血を予防し、細胞の生まれ変わりや、新しい赤血球をつくり出すために欠かせないビタミンである葉酸を含みます。さらに、抗酸化ビタミンであるビタミンC、ビタミンEを含みますので活性酸素の発生や酸化力を抑え、動脈硬化、皮膚や血管の老化を防ぎ、免疫力を高めてくれます。また、骨や歯を構成するのに必要なミネラルであるカルシウムやリン、マグネシウムなどを含みます。カリウムも多く含まれますので疲労回復や利尿作用、高血圧の予防に役立ちます。
ブロッコリーは、機能性のある栄養としてカロテノイドの一種のβ-カロテンやルティンとゼアキサンチン、スルフォラファンというフィトケミカル(植物中に存在する天然の化学物質)を多く含みますので強力な抗酸化作用を期待できます。
主な栄養素 | 100gあたりの栄養価 |
タンパク質 | 3.5g |
脂質 | 0.4g |
炭水化物 | 4.3g |
食物繊維 | 3.7g |
β-カロテン | 770㎍ |
ルティンと ゼアキサンチン |
1403㎍ |
ビタミンB1 | 0.06mg |
ビタミンB2 | 0.09mg |
ナイアシン(B3) | 0.4mg |
パントテン酸(B5) | 0.78mg |
ビタミンC | 54mg |
ビタミンE | 1.7mg |
カルシウム | 33mg |
マグネシウム | 17mg |
鉄分 | 0.7mg |
マンガン | 0.17mg |
リン | 66mg |
カリウム | 180mg |
(ブロッコリー 花序 ゆで)
五訂日本食品標準成分表より
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ブロッコリーの特別な栄養
ブロッコリーには、スルフォラファンというフィトケミカル(植物中に存在する天然の化学物質)が多く含まれています。
スルフォラファンの効能
スルフォラファンは、体内の解毒酵素や抗酸化酵素の生成を促進し、身体の解毒作用や抗酸化作用を高めます。
●解毒酵素の生成が活性化するので、体内に入った発がん物質を無毒化し体外に排出し、がんを予防してくれます。
●抗酸化作用が活発になるので、新陳代謝がよくなり、老化を防止してくれます。また抗酸化力が高まることで細胞分裂が活発になりNK(ナチュラルキラー)細胞が増え活性化されますので免疫力が高まり、がんやウイルスに負けない身体になります。(NK細胞は、全身をパトロールし、がん細胞やウイルス感染細胞などを見つけ次第攻撃してくれるリンパ球です)
●解毒酵素の生成が促進されますので、、肝臓の解毒作用が高まり、肝機能が向上します。
●ピロリ菌を制菌、殺菌しますので胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の治療や予防に役立ち、胃腸を丈夫にし、虚弱体質を改善するのに役立ちます。
ブロッコリーの主な栄養素の効能
食物繊維の効能
食物繊維は、人の消化酵素では消化することのできない成分です。セルロースのように水に溶けない不溶性食物繊維と果物に多く含まれるペクチンのように水に溶ける水溶性食物繊維とがあります。食物繊維は、便秘の改善や心筋梗塞、糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防に役立ちます。
β-カロテンの効能
β-カロテンには強い抗酸化作用があり、活性酸素の発生や酸化力を抑え、ダメッジを受けた細胞を修復し動脈硬化やがんの発生を予防できます。また、一部はビタミンAとして働きますので、視力を正常に保ち夜盲症を防いでくれます。
ルティンとゼアキサンチンの効能
ルティンとゼアキサンチンは、カロテノイドの仲間です。β-カロテン同様強力な抗酸化作用があり、活性酸素の発生や酸化力を抑え、ダメッジを受けた細胞を修復します。特に、目の網膜の黄斑部や水晶体に作用し、有害な光や活性酸素などによる眼病を予防してくれます。また、紫外線や活性酸素から肌を守る働きもあります。
ビタミンB1の効能
ビタミンB1は、世界で一番最初に発見されたビタミンです。今日のように栄養状況の良くなかった日本では脚気(かっけ)の治療に効果を発揮しました。炭水化物(糖質)の代謝をたすけてエネルギーをつくり出すので疲労回復に役立ちます。また、皮膚や粘膜の健康を維持し、糖質を栄養源としている脳神経や手足の末梢神経、筋肉の機能を正常にたもちます。
ビタミンB2の効能
ビタミンB2は、三大栄養素である炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質を体内でエネルギーに変える、代謝を支える重要な働きをしています。また、細胞の新陳代謝を促進し、皮ふや粘膜の機能維持や成長にも関わりますので、美容や子供の成長には欠かせない栄養素になります。
ナイアシン(B3)の効能
ナイアシンは、水溶性ビタミンの一種です。三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質の代謝によりエネルギーをつくり出す過程で働く酵素を補助する必要不可欠なビタミンです。皮ふや粘膜の健康維持をサポートしたり、脳神経を正常に働かせるのに役立ちます。
パントテン酸(B5)の効能
パントテン酸は、ビタミンB5とも呼ばれ動植物食品に広く含まれ、体内でも合成することができるビタミンです。パントテン酸は、三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質の代謝とエネルギーをつくり出すのに不可欠な酵素を補助する役割をしています。また、 血中の善玉コレステロール(HDL)、ホルモン、免疫抗体などを合成し、動脈硬化を予防しストレスをやわらげ、皮ふや粘膜の健康維持に役立ちます。
ビタミンCの効能
ビタミンCは、野菜や果物に多く含まれる抗酸化ビタミンです。抗酸化作用があるので活性酸素の発生や酸化力を抑え、動脈硬化、皮膚や血管の老化を防ぎ、免疫力を高めます。また、体の細胞や組織をつなぐ働きをするコラーゲンというたんぱく質をつくるので、皮ふや粘膜を健全に保ち美肌にも役立ちます。
ビタミンEの効能
ビタミンEは、強力な抗酸化作用によって、活性酸素の発生や酸化力を抑え、細胞の酸化を防ぎ、血管や肌、細胞の老化を防いでくれます。また、ダメッジを受けた細胞を修復してくれますので、動脈硬化やがんの予防にも役立ちます。
カルシウムの効能
カルシウムは、人間の身体で骨や歯を構成する必須ミネラルです。人間の身体に最も多く存在するミネラルで、骨そのものが貯蔵庫の働きもしています。不足すると骨から遊離します。体重の1~2%の比率を占めています。カルシウムは血液を凝固させる働き(傷口を治す)や、筋肉の運動、神経の働きに作用します。筋肉の収縮や心臓の拍動もカルシウムの働きによるものです。また、神経の働きに作用し、緊張や興奮を静めることで、イライラやストレスの解消に役立ちます。
鉄の効能
鉄は、必須ミネラルのひとつで赤血球を構成する成分で、全身の細胞や組織に酸素を運ぶ働きをしています。鉄は、貧血の予防に重要な栄養素です。体内の鉄の約70%が血液中で赤血球のヘモグロビンの構成成分となり約25%は肝臓などに貯蔵されています。肺で取り込んだ酸素を全身の細胞や組織に運ぶ重要な役割をしています。鉄は細胞に酸素と栄養を届けるヘモグロビンにとって大切なミネラルなのです。
マグネシウムの効能
マグネシウムは、体内で約300種類以上もの酵素の働きをサポートします。50~60%が骨に含まれていて、不足すると骨から遊離します。カルシウムと密接な関係があり、骨や歯の形成に必要な栄養素でもあります。また、三大栄養素である炭水化物 (糖質)、脂質、たんぱく質の代謝により、エネルギーをつくり出す過程で酵素が必要になりますが、マグネシウムは酵素が働くために必要不可欠なミネラルなのです。
マンガンの効能
マンガンは、さまざまな酵素の構成成分になったり、さまざまな酵素を活性化する栄養素で、糖質や脂質の代謝の促進や骨格形成・性機能の維持にも大きく関わり、抗酸化作用のある酵素成分として働き、たんぱく質を合成してエネルギーを生み出す役割があり、成長や生殖に大きく関係しています。
リンの効能
リンは、人間の身体で骨や歯を構成する必須ミネラルです。リンは体内のミネラルの中でカルシウムの次に多いミネラルです。体内のリンはその約80%がカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯をつくる成分になります。残りの約20%は筋肉、脳、神経などの様々な組織に含まれ、エネルギー代謝や脂質代謝などにおいて重要な役割を担っています。
カリウムの効能
カリウムは、体内のほとんどの細胞の中に存在しナトリウムとバランスをとりながら高血圧を防いでくれます。ナトリウムは体に必要なミネラルですが、とり過ぎは高血圧になる危険が高まります。しかしながら、多少ナトリウムの摂取量が増えたとしても、適切な食事で必要なカリウムの摂取ができていれば、カリウムの働きでナトリウムはカリウムと共に汗や尿として排出され、高血圧を防いでくれます。食事でのカリウムの摂取は大変重要になります。